例えば・・・不幸にして、無知なわたしに乱獲された小さなさかなたち・・・想像のはなしですが・・・ず〜っと山の上の源流で、さかなのおかあさんが命がけで産んだこどもたち。「元気に大きくなってね」と送り出されたこどもたち。なまずのおじさんや、水草のおばさんたちに「気をつけてね」と見送られたこどもたち。「よぉ〜し、みんなっ、海を目指すぞ!」と励まし合って川を下っていったわけです。せめて、もっと良いひとに掬われていたなら・・・素晴らしい世界を見ることができた。想像しましょう・・・たったひとつの行動でも巡り巡っていくこと。無知なわたしに掬われたばかりに・・・。後悔しています。ただひとつ、無知なわたしへの救いは、後悔する能力が残っていること。後悔することは成長すること。
「大漁」金子みすゞ