大好きな絵本に「3びきのかわいいオオカミ」というのがありまして・・・「3びきのコブタ」の逆バージョンで、この絵本ではブタが悪者です。オオカミたちはブタに壊されないようにどんどん家を丈夫なものに改築していき、鉄の要塞のような家を建てるのですが、これもあっけなく破壊されてしまいます。・・・で、最後、考え方を変えて、たくさんの美しい花で家を建てました。その優しい香りを嗅いだブタは優しい気持ちになって、みんな仲良くなる・・・というあらすじです。
でも世の中そんな甘いもんじゃない・・・のかもしれません。たくさんの悲しい恐ろしい醜い情報がこどもたちのまわりにあふれています。絵だって悲しい絵、恐ろしい絵、醜い絵があって当然でしょう。自由です。
それでもわたしはこどもたちの美しい絵だけを見続けたいのです。色や形の美しさだけを言うのではなく、描くこと自体にその場限りではない幸せを感じ、いつまでも側に飾っておきたくなるような美しい絵です。これはわたしのわがままです。わたしは鉄の要塞の中で花を育てているのかもしれません。